なぜ牛レバ刺しは禁止になったの?馬レバ刺しがOKの理由とは

By 井澤 綾華 | 2018年2月6日

なめらかで濃厚な舌触りが特徴的な、牛のレバ刺し。生肉の刺身とはまた違った食感が楽しめることもあって、生肉の中でもレバ刺しが好きだ、という人も少なくありません。
しかし、とある時期から飲食店でレバ刺しの提供が禁止され、見かけることがなくなったと思いませんか?
今回は、いつから・なぜ牛レバ刺しは禁止になったのか、その理由と潜んでいる危険性、牛とは違い馬のレバ刺しなら安全に食べられる根拠などをお伝えします。

牛のレバ刺しが法律で禁止となった経緯

ある時期から牛のレバ刺しが飲食店メニューから無くなった、とぼんやり記憶している方もいらっしゃるかと思いますが、牛のレバ刺しは2012年に法律によって提供を禁止されしまったのです。

まずは、なぜ牛のレバ刺しが法律で禁止されるまでになってしまったのかを時系列で追って解説してまいります。

 

2011年に起きた焼き肉店での食中毒事件

焼肉店

2011年4月、富山県のとある焼き肉店で死者5名を出す食中毒事件が起きました。被害者は合計181人と言われており、その客のほとんどがユッケなどの生肉メニューを食べたことによる食中毒が原因との知見です。ただ、これは店だけの責任でなく、肉の卸業者の衛生管理も不届きで、レバーを切った包丁で生食する牛肉をカットしていたといわれています。

 

牛レバーからO157検出で生食禁止を検討

この事件を受け2011年に行った大規模な細菌検査の結果、レバ刺し用に加工された牛レバーの内部から、死をも引き起こす腸管出血性大腸菌(O157)が検出されました。検査結果が出る以前までは、レバーの外側にO157が付着していてもきちんと処理を行えば内部はO157の生息は無く、生食しても安全だといわれていました。

この事件以前から牛の生レバーの喫食による食中毒の発生例はありましたが、ここまで大ごとになったことがなかったために規制はされてこなかったと言えます。そのため、牛レバーの生食の危険性が強く叫ばれ法律で禁止されるまでになったのは、この事件がきっかけとも言えるでしょう。

 

2012年7月より食品衛生法にて牛レバーの生食を禁止

今まで大丈夫だといわれていた牛レバーの内部からもO157が検出されたことを受け、国は牛レバーの生食の問題を無視することができなくなりました。

その結果、2012年7月から、食品衛生法という食の安全性を守るために設置された法律によって、牛の生レバーを食べることが禁止されたという経緯です。

 

牛レバ刺しを法律で規制しなければならない理由

今まで食べられていたものが法律によって禁止されて食べられなくなる、となったときに「食べる側にリスクを理解させて提供を続けるべきだ」という生レバー愛好家の声もありました。しかし、なぜ国は法律にまでしてレバ刺しを禁止したのでしょうか。

それは、牛の生レバーを食べるということは、国民の食の安全性を考えた時に、食中毒に感染し重症化するリスクが大きすぎるという見解のためです。

 

O157の除菌が困難だから

O157が重大な問題であるからこそ、O157を除去できれば生レバーは食べても安全ということにはなります。ただ、O157はレバーの内部までが汚染されているケースがあるとわかった以上、生のまま安全に喫食できる方法が無いのが現実です。

その理由は、O157は中心温度が75℃で1分間以上加熱されて初めて死滅するから。冷凍食品を不完全に加熱し喫食したケースでのO157の感染も報告されていることから、冷凍でもリスクが残ります。このように、牛の生レバーは「適切な処理をすれば安全に生で食べられる!」という方法がまだ無いため、牛レバーは必ず加熱して食べるようにしましょう。

 

カンピロバクターも保菌している

O157菌がレバー内部にいるとわかる前から、カンピロバクターという食中毒菌が牛レバー内部に生息することは知られていました。

カンピロバクターは下痢や発熱が約1週間続いたりはしますが健康な人は重症化しません。しかし、子どもやお年寄りは重症化するケースも認められています。牛レバ刺しが法律で規制された後では、結果としてですが、カンピロバクターによる食中毒も予防されていることになります。

 

他のお肉のレバーは生で食べられるの?

牛のレバーには大きな危険が潜んでいるということはお分かりになったかと思いますが、他の動物のレバーの生食も注意が必要です。

2018年の頭に、E型肝炎に感染していた人からの輸血で死亡したという事故が起きました。輸血の提供者は、鹿肉を生で食べていたことがあり鹿の生肉からの感染ではないかと言われています。豚や、鹿・イノシシなどの野生動物の肉やレバーを生で食べると、E型肝炎に感染するリスクが発生します。E型肝炎は重症化し死亡するケースもあるほどです。

また、鶏肉や鶏レバーの生食にはカンピロバクターの危険性があります。リスクをしっかりと回避するには、しっかり加熱することが必要となります。

 

馬のレバ刺しが生食可能な理由とは?

鳥も鹿も豚も牛も、生食にはリスクがあることはお分かりになったかと思います。ならばなぜ、馬のレバ刺しが生食できるのかが不思議ですよね。ここからは、馬のレバ刺しが生で食べられる根拠をご説明します。

まずは、O157のリスクがないから。牛や鹿などの反芻(はんすう※1)動物は消化管の中にO157を保菌しているのですが、馬は反芻動物ではない上、それらの動物よりも体温が高いためO157が生息できないことから、O157の心配はありません。

(※1)反芻(はんすう、rumination)は、ある種の哺乳類が行う食物の摂取方法。まず食物(通常は植物)を口で咀嚼し、反芻胃に送って部分的に消化した後、再び口に戻して咀嚼する、という過程を繰り返すことで食物を消化する。(出典:Wikipedia)

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また、他の動物と馬でリスクがこうも違うほかの理由として、種の違いも挙げられます。馬は奇蹄目という分類でヒヅメが一つです。他方で、豚や牛は偶蹄目といいヒヅメの数が二つある動物です。こういった種の違いが、ウイルスが感染可能かどうかの大きな違いになるのです。

 

しかし、馬の生肉には、ヒトに感染しやすい寄生虫が潜んでいることがあります。トキソプラズマという寄生虫で、感染しても軽い風邪のような症状を引き起こす程度の悪さなのですが、妊娠直前や妊娠中の母体、抵抗力の弱い子どもやお年寄りが感染すると一大事にもなりかねないので、念のため控えたほうが良いでしょう。

トキソプラズマは熱や低温に弱いため、「馬刺しの達人」をはじめとしてマイナス20度で約48時間以上冷凍してから出荷している専門店の馬刺しで感染する可能性は限りなく低いです。

 

馬のレバーの生食は安全」という理由は、食中毒菌を保有していないことと適切な処置をして寄生虫を殺している点にあります。

 

まとめ

牛のレバ刺しが禁止されている一方、馬のレバ刺しの生食は安全だという理由がしっかりと理解することができたでしょうか。

「レバ刺しが好きだったのに、事件を機に食べられなくなってしまった…」と残念に思っていた方は、ぜひ安全な馬のレバ刺しを召し上がってみてください。

プルンと滑らかな牛のレバ刺しと違い、馬のレバ刺しはプリプリ、コリコリとした歯ごたえが楽しめます。今までのレバーのイメージを覆す食感とクセのなさに、病みつきになってしまうこと間違いなしです!

 

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この記事を書いた人ライタープロフィール
井澤 綾華 管理栄養士・栄養教諭第一種免許取得。 大学在学中から、地域に飛び出し食や農に関わる活動を行う。現在は学生時の経験を活かし、農業体験のコーディネートをしながらレシピ開発や料理教室等も実施中。

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