馬刺しに合う焼酎は?
馬刺しには、基本的にはどんな焼酎でも合いますが、米焼酎、なかでも球磨焼酎がおすすめです。球磨焼酎は熊本県南部の人吉・球磨地方で生産する焼酎の呼称で、県内の蔵元33社で組合が構成され、たくさんの銘柄が発売されています。人吉市付近で生産する米もろみを用いて作られ、世界貿易機構(WTO)から産地指定を受けているトップブランドです。
部位で異なる馬刺しのうまさ
一口に「馬刺し」と言っても部位によって味が違います。焼酎もそれに合わせて飲みたいですね。まずは馬刺しの部位と特徴を紹介します。
一番好んで食べられているのが赤身の「ロース」です。肩や背中あたりの肉で脂肪が少ないのが特徴です。「ヒレ」はロースよりも身体の内側の部分で身が柔らかく、刺身のほかステーキなどでも提供されています。
牛や豚で絶対に味わうことができないのが「たてがみ」です。肉とは思えないほど真っ白な色からもわかるとおり、脂肪分とコラーゲンが多く、独特な触感が楽しめます。
こってりした味が好みなら、霜降りやトロと呼ばれる「バラ」がお勧め。サシの入りがよい「三角バラ」は、馬刺しの最高級部位です。
以上が一般的な部位ですが、馬刺し専門店などでは、あばらの部分の「フタエゴ」や、コリコリとした触感が味わい深い心臓の「馬ネッコ」、今や生食が難しいレバ刺しなどを提供しているお店もあります。
本場熊本のおすすめ焼酎7選
球磨焼酎の中から、熊本の馬刺しに合う焼酎を7つ選びました。
白岳
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淡白な赤身と合わせるなら、高橋酒造の「白岳」がお勧め。とても飲みやすく、翌日に残らない球磨焼酎の定番商品です。さらりとした飲み口は、赤身のうまさを引き立ててくれます。アルコール度数は20度、25度、35度、37度、40度とバリエーションが豊富。好みに合わせて選ぶことができるのも嬉しいですね。
吟香鳥飼
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江戸時代から続く老舗酒蔵「鳥飼」の代表作「吟香鳥飼」は、麹と酒造りに最適と言われる山田錦を50%も精白して香りを付けたもろみを減圧蒸留し、約半年間熟成して作り出したフルーティーな焼酎です。香味の劣化を防ぐため、水割りにはカルキ臭のある水道水ではなく、カチ割り氷やミネラルウォーターを推奨するこだわり。淡白な赤身とマッチします。
大石
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日本酒を飲みなれている方には、球磨焼酎をつくる蔵の中で水源に最も近くに位置する大石酒造場の「大石」がお勧め。アルコール度数25度、コクがありしっかりと味を主張。霜降り肉にも最適です。代々受け継がれた味を召し上がれ。
秋ノ穂
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ノスタルジックな味を楽しみたいのなら、高田酒造場の秋ノ穂はいかがでしょうか。球磨川の近くにある小さな酒蔵では、すべての焼酎が昔ながらの製法で手造りされています。そのため商品はいずれも少数生産の希少品。中でも秋ノ穂は、明治35年の創業当時の味を8年間かけて復刻しました。常圧蒸留による重厚な香りが特徴で、霜降り肉にもよく合います。
武者返し
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素材の味をたっぷりと楽しみたいのなら、寿福酒造の「武者返し」はいかがでしょう。原料は地元産ヒノヒカリを100%使用。全て手作業で造る伝統の常圧蒸留の焼酎です。アルコール度数は20度、35度、43度の3つを用意。長く寝かせる程にまるやかさが増して優しい味になることから、さらに6年間長期熟成させた「武者返し 長期貯蔵古酒(アルコール度数25度)」も発売。水割りにしても薄まらず、力強い味わいが残ります。
温泉焼酎夢
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一風変わった焼酎が飲みたいのなら、大和一酒造元の「温泉焼酎夢」で決まりです。「他のマネをしない」「常識に囚われない」を蔵のモットーとし、独創的な商品開発を行っています。温泉焼酎夢は、工場内に湧き出る弱アルカリ性の温泉水と良質な米を使用。まろやかな口当たりで、どんな料理にも合います。適量を飲み続けると、体調が回復したり、目覚めがよくなったりする効果も期待できるようです。
六調子
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ブランデーなどの洋酒が好きな方に飲んでほしいのが、六調子酒造の「六調子」です。スコッチやコニャックにも劣らない焼酎を目標に、たっぷりと時間をかけて貯蔵熟成し、甘みと香りを引き出しました。最高級の「特吟六調子」のラベルとパッケージは、人間国宝・芹沢銈介氏が手掛けるなど、芸術性も追求しています。最高級の馬刺しと一緒に味わいたいですね。
馬刺しと焼酎、最高な味のコラボ!
ここで紹介したのは熊本で生産されている焼酎のほんの一部ですが、たった7本ながら個性的な焼酎が多いことがおわかりになると思います。昔ながらの手法で手作りにこだわる酒蔵もあれば、新しい製法や味に挑戦している酒蔵もあります。いろいろな焼酎とともに、馬刺しをお楽しみください!